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「こんにちはー、シトラスでーす!」 |
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「こんばんはー、ミネオラでーす!」 |
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「初めての方は、はじめましてー!」 |
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「おなじみの方は、お久しぶりでーす!」 |
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「おなじみの方は、ミネオラちゃんの顔が変わっていることについて触れないであげてくださーい!」 |
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「さ、さーい……」 |
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「しばらく見ないあいだに整形したとでも思っといてくださーい!」 |
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「あ、あの、シトラスちゃん、私個人のことはいいから、早くマスコットガールとしてNavel製品のPR活動を始めようよ」 |
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「あーそっか、ごめんねミネオラちゃん。私、久しぶりだから勝手が掴めなかったもんで、有耶無耶にするべき微妙な問題についうっかり言及しちゃったんだね」 |
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「そ、そうだね。シトラスちゃん『ね〜PON?×らいPON!』にゲスト出演したりもしてたけど、この場で新製品の紹介をさせていただくのは『Really? Really!』発売日以来2年ぶりぐらいだもんね」 |
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「うんー、だねー。この2年間ほんと忙しくて、はあ、まったく人気者はどこからも引っ張りだこで大変だよ」 |
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「えっ? シトラスちゃん、Navel Official Website以外の場でも製品PR活動をしてたの?」 |
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「あはは、まっさかー、誰が好き好んでそんな恥ずかしいことー!」 |
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「シトラスちゃん、どこで偉いひとが見てるか分からないから、歯に衣は着せた方がいいと思うよ」 |
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「いやあ、実は私オンラインRPGの仲間から、明け方から午前中ぐらいの時間にかけてのみ、やたら狩りに誘われたりして大人気でさー、人気者の辛いところなのだわさ」 |
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「世の中には頭数って言葉があるんだよシトラスちゃん。そんなシトラスちゃん個人の近況報告よりも、いまは新製品の広報活動をしようよ」 |
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「あらあら、今日はどのゲームの宣伝をすればいいのかしら。毎週金曜には新作PCゲームがわんさか発売されるからわくわくしちゃうよねミネオラちゃん」 |
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「うん、でも私たちがお報せするのはNavel作品に決まってるし、今回の新作『俺たちに翼はない 〜Prelude〜』は、6月28日土曜日の発売なんだよシトラスちゃん」 |
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「えー、うそだー、エロゲは必ず金曜発売って風営法で決まってるんじゃなかったっけー」 |
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「ううん、それはきっとシトラスちゃんのアパート付近にのみ伝わる都会のフォークロアだよ。今ごろ全国のソフトショップでは、店員さんたちが声を枯らしてプレつばを売り込んでくれているよ」 |
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「わあ、こんなところでさりげなく販売店様にプレッシャーをかけるなんて、まったくミネオラちゃんは血も涙もないね!」 |
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「ひ、ひとの揚げ足をとる前に、シトラスちゃんも広報活動に協力してよう」 |
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「仕方ないなあ。じゃあえーと、神にも悪魔にも凡人にもなれる男、土見稟を主人公に──」
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「シトラスちゃんそれ4年前! 新製品じゃない!」 |
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「ボクと同じ思い出を持つキミに、キミと同じ思い出を持つボクに。ネーブル」 |
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「惜しい、それリアリア! もうちょっと! あと2年進めればおれつばだよシトラスちゃん!」 |
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「あのキャラクターグッズでおなじみの『俺たちに翼はない』が、なんとゲームになったぞ!」 |
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「やめてやめてー! そんなギリギリなキャッチ捏造しないでー!」 |
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「でも、まだ本編は出てないんでしょ?」 |
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「う、うんまあ……そうだけど……」 |
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「なーんだ、やっぱりね。『俺たちに翼はない』なんて都市伝説だと思ってたよ」 |
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「ううん、おれつばはちゃんと発売するよ。でも今はおれつばプレリュードの話をしないとね」 |
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「さっきからプレリュードプレリュードって、そのしゃらくさい付属語はなんなのさ。いったい本編となにが違うのさ」 |
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「よくぞ聞いてくれました! こちらの製品にはなんと、三篇のオリジナルストーリーと二本のプレリュードストーリーが入っていて、さらにさらに、それらをすべて楽しんだあとには──」 |
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「あー違う違う、そんな深夜の通販番組みたいな白々しい小芝居はいいから。私が聞きたいのはつまり『援交娘緊縛遊戯編〜火遊びの代償は未熟なカラダ〜』はどこに入ってるのかってことなの」 |
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「ううんシトラスちゃん、プレリュードにも本編にもそういう話は一文字たりとも入ってないの」 |
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「フフフ、そういう話ってどういう話だい?」 |
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「おれつばプレリュードでは、私たちネーブルガールズも製品のナビゲート役として参加しています。皆さんとお会いできること、楽しみにしていますね!」 |
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「フフフ、ナビゲート役というのは一体なにを案内するつもりなんだい? きつく締まったカラダの終着点までかい? くふふ」 |
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「あの、シトラスちゃん……私の腰にしがみついて下卑た笑いを浮かべているのは、たぶん今までにない新たな萌えキャラの形を模索してるんだと思うけど、どう考えてもその姿が大衆の支持を得るとは思えないよ」 |
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「いいえ! 待って、ミネオラちゃん。そうは言うけれど、世の中には一風変わった好みを持つ人々もいると思うの。私はそんな少数の個性たちから愛される一輪のクチナシになりたい」 |
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「本編には出番ないから、本当の意味で口なしだけどね」 |
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「それはきっと何処にでもある、ありふれた物語。ネーブル」 |
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「えええっ! 珍しく上手いこと言ったのに! まるで嫌がらせのようにシトラスちゃんが広報活動を再開してる!」 |
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「おれつばのイントロとしてもよし、ひとつの物語としてもよし、私たちのためにプレイするもよし。一粒で三度楽しい『俺たちに翼はない 〜Prelude〜』、ただいま絶賛発売中でーす!」 |
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「でーす!」 |
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「それでは次回、おれつばレクイエムでお会いしましょー! また来世紀ー!」 |
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「え、えええ、縁起でもないこと言わないでー!」 |