ストーリー

幼いころ、親の都合で住み慣れた街から遠く離れた北の国へ移り住んだ主人公。しかし数年後、彼は進学に際して生まれ故郷にある学園を選んだ。
ただ、なんとなく。その理由を聞かれたとき、彼はそう答えた。
満開の染井吉野が起伏に富んだ街並をいろどる街、桜坂。
幼いころの記憶はほとんど残っておらず、あらゆるものが真新しい景観。その中でただひとつ、懐かしさを覚える場所があった。
二本の桜が寄りそうように並んだ小高い丘。
しかし、そのひどく漠然とした懐かしさの中に混じる不安、焦燥、畏怖……。
彼はその場になにか因縁めいたものを感じながらも、記憶の扉を開けることができなかった。
だた、なんとなく。
そうではなかった。主人公にはこの街に帰ってきた確固たる理由があった。それが無意識のうちに彼を桜坂に呼びもどしたのだ。
その事実から目を背けるように、平凡な日常を過ごす主人公。はたして彼は、自身の奥深くに埋められたその記憶を取り戻すことができるのか

ゲームはその一年後、主人公が桜坂学園の二学年に進級したところから始まります。
学園一の美少女と名高い星崎希望、主人公を追ってきた雪村小町、気のあう女友達の八重樫つばさ、読書好きの先輩・里見こだま、妹のような隣人・森青葉。
これら主人公をとりまく五人のヒロインと友好を深め、やがて恋に落ちてゆく過程で、彼は自らの過去を知る鍵を握ってゆくことになります。
そしてその事実が二人に忍びよるとき、彼は育んできた愛を貫くことができるのか。
この物語は、主人公の精神的な成長を通して「恋愛」という人間関係がもたらす暖かさ、そしてその先に潜む冷たさとを問うラブストーリーです。